Ryuho Kataoka
片岡 龍峰(かたおか りゅうほう)
国立極地研究所・宙空圏研究グループ 准教授
オーロラ4Dプロジェクト 代表

現在取り組まれている研究テーマについて教えてください。

オーロラの超高速撮像と、宇宙災害への対策について研究しています。人間の目では追跡できないほど極限的に速く変化するオーロラについて調べています。オーロラ活動が地球規模で活発になる磁気嵐と呼ばれる日は、そのような速いオーロラを観測する絶好のチャンスですが、いいことばかりではなく、同時にさまざまな「宇宙災害」も引き起こしてしまいます。最も怖いのはオーロラが電力ネットワークに誘導する異常電流が引き起こす停電です。そのような宇宙災害を軽減するための対策についても研究しています。

そのテーマを選んだ理由を教えてください。

宇宙と地球、どちらか片方ではなく、両方とも研究したかった。調べれば調べるほど、歯止めなく面白そうだし、このテーマなら世界一にもなれるかもしれない。

やりがいや魅力を感じるときはどんなときですか?

アラスカの過酷な大自然に突撃して、頭と体を使って全力でオーロラ観測に取り組んでいるときには、普段の生活とは全く違った、生き返るような感覚があります。もがき続けた末に、まだ誰も見たことのない謎に触れる、という喜びも絶大です。

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逆に難しい、困難だと感じるのはどんなときですか?

新しいことに挑戦すると失敗ばかり。古いことを極めようとしても上には上がいる。

オーロラ4Dプロジェクトの2つのきっかけについて教えてください。

2014年の冬、極地研と同じ建物を共有している国文研の廊下で、ドラえもんみたいな青いモフモフのフリースを着て、学生と2人でオーロラ観測に導入するカメラの動作試験をしていたときのことです。「何やってるの?」「あ、これはオーロラのカメラでして・・・」ということで、国文研の山本先生と世間話になりました。日本の古典籍の専門家ということで、日本でもオーロラが見られることがあり「赤気」とう言葉で記録されているという話をしているうちに、いまなら大量の文献を検索したり、面白い研究ができないだろうか、できるよ、という。。

もう1つのきっかけは、さらに時間をさかのぼって、同業者の友人の結婚式。2014年の春。「極端な宇宙天気」に関する論文特集号を企画していた私は、同じテーブルに座っていた磯部さんとの世間話で、中国の文献に詳しい学生たちと「赤気」を調べていて面白い結果が出てきたと聞いて、それならウチの特集号に論文出してくれ、とお願いしました。その学生、早川くんは、実働部隊最強のプレーヤーとして活躍中です。

Ryuho Kataoka

今後、取り組んでみたいことは?

磁気嵐を感じる動物に関する研究。長距離を移動する鳥は敏感らしい。

研究テーマに関心のある学生に向けてメッセージをお願いします。

実行力を決めるのは自分です。一緒に研究しましょう!

日頃のリフレッシュ方法は?

普段はギターを弾いたり歌ったり。夏は海で釣り。冬は雪山に遊びに行く。

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休みの日はどんなことをして過ごしていますか?

日曜の朝は、ソファで横になってNHK将棋を見ながら、まどろむ。