2016年4月、八王子市こども科学館に「八王子隕石」の実物の欠片が展示されました。また、八王子市郷土資料館には、約200年前の1817年12月29日は晴れており、午後二時頃に空から隕石が落ちて来た様子を、八王子の多くの人々が目撃していたことを示す古典籍が展示されました。新聞記事はこちらです。

オーロラ4Dプロジェクトのメンバーの中でも筋金入りの隕石愛好家である藤原さんからの声掛けがあり、片岡と極地研の隕石ラボのメンバー数人で出かけてみたところ、こども科学館の森さん、郷土資料館の加藤さんに、詳しいお話を伺うことができました。そこでわかったのは、八王子隕石というのは、その物理的な成因を研究する上でも、日本土着の自然感や世界観を研究する上でも、非常に興味深いものであり、もしかすると、わたしたちオーロラ4Dプロジェクトが取り組んでいる文理融合・市民参加型研究の新しい展開を考察する上で大切な一歩となるかもしれない、ということでした。

八王子隕石の欠片というのは、見れば見るほど本当に小さな小さなもので、その大部分は行方不明です。どうやって生まれ、地球に落ちて来た隕石なのか詳しく研究するためには、もっと大きな欠片があると、さらに詳しいことがわかりそうです。極地研の隕石ラボには、その分析するプロの腕も設備も整っています。こども科学館の森さんは、「蔵や仏壇、神棚に、紙に包んだ石があれば連絡してほしい」と言います。私たちもインターネットを通して、八王子隕石を見つけるための手がかりとなる情報を呼びかけたいと思います。

参考まで、八王子隕石の実物が見つかったのは1950年ごろ、朝廷で天文や暦を担当した土御門(つちみかど)家の文書の中で、紙に包まれていたそうです。同様に隕石のかけらが、近くの旧家などに眠っているのではないかと期待しています。

本当に隕石かどうか、という見分け方は、極地研の隕石の専門家、山口先生が作られた、このスライドを参考にしてください。
隕石の特徴_Kataoka160914

名前のついた隕石というのは、詳しい分析をすると、科学的な新発見があることが多いそうです。愛着を持って、とことん調べられるせいでしょうか。八王子隕石をお持ちの方、ぜひ電子メールで、山口先生(yamaguchi@nipr.ac.jp)と私(kataoka.ryuho@nipr.ac.jp)まで、ご連絡ください!

呼びかけ人:
片岡龍峰(国立極地研究所)、山口亮(国立極地研究所)
米田成一(国立科学博物館)、森融(八王子市こども科学館)